がん保険の基礎知識

がん保険の加入率はどのくらい?

著名人のがんの話題がニュースでも取り上げられるようになった昨今、改めてがんへの備えが必要と感じている方もいらっしゃるかもしれません。がんについて経済的な側面で備える方法の一つとしてがん保険がありますが、実際どのくらいの人が加入しているのでしょう。

公益財団法人生命保険文化センターでは、3年ごとに「生活保障に関する調査」を実施しています。その結果をもとにどのくらいの人ががん保険に加入しているのかを見ていきましょう。



加入率

今回は、「生活保障に関する調査」の中から、「ガン保険・ガン特約の加入率」のデータを見ていきます。 この調査における「ガン保険」「ガン特約」とは、ガンで入院したときに入院給付金などが受け取れるもの(ガン以外の疾病(脳血管疾患、心疾患、高血圧性疾患、糖尿病)で入院したときでも入院給付金が受け取れる「生活習慣病(成人病)特約」は除く。)です。

一般的にがん保険には、がんと診断された場合に診断一時金が給付されるタイプや、入院・通院した場合や手術を受けた場合に給付されるタイプ、抗がん剤などの治療を受けた場合に給付されるタイプなど色々な種類があります。

またがん特約には、死亡保険や医療保険に付加することで、がんによる入院・手術の場合に、病気やケガによる入院・手術の場合よりも給付金を多くもらえるように設定できるものなどがあります。
では、加入率を見ていきましょう。


加入率推移

がん保険・がん特約の加入率推移の全体と男女比の表です。
2004年から2019年までの3年ごと、15年間の推移を表しています。

最新のデータでは、がん保険の全体の加入率は42.6%となっており、2004年以降緩やかな上昇傾向にあると言えます。
この推移からも、がんへの備えに対する意識が高まってきていることが分かります。


性別・年代別加入率

がん保険・がん特約の性別の加入率で見ていくと、男性は43.2%、女性が42.2%と、男性の加入率の方が女性の加入率よりもやや高くなっていることが分かります。

また、年齢別の加入率で見ていくと、20歳代の加入率が25.4%で20歳代から加入する人は多くなり、社会的に責任が重いとも言える40歳代が50.8%と最も高くなっています。

そこから50歳代・60歳代と年齢を重ねるごとに加入率は低下しています。 性別・年齢別加入率から、30歳代・40歳代とライフステージの変化が大きい世代のがんによる経済的リスクに備える意識が高いということが推測されます。

住居種類別加入率

ここでは、住居種類別のデータを見ていきます。
持家と貸家では、持家が全体の43.9%、貸家が37.4%ということで、持家の人の加入率が高くなっています。また、持家の中でも最も加入率が高いのは、「持家・ローンあり」で48.8%です。

自分にもしものことがあった場合にローンの支払いが困難になることを想定して住宅ローンを組んでいる方は、そのタイミングで将来の備えのことについて検討しているのかもしれないですね。


ライフステージ別加入率

ライフステージ別の加入率については、「未婚」の加入率は低いものの、結婚をして子どもが成長するに従って加入率は上昇しています。


全体で見ると、最も加入率が高いのは「既婚・末子小学生」で、加入率が52.0%、続いて「既婚・末子中学、高校生」が50.9%となっています。学齢期の子どもの有無によって、加入率に相応の違いがあることが見て取れます。

まとめ

がん保険の加入率について、様々なデータを見てきました。
がん保険の加入率は年々増加しており、2019年度は42.6%でした。ただし、2019年度の医療保険の加入率は73.1%※1 ですので、医療保険と比べるとがん保険に加入している人は少ないと言えます。がんに対する保障に特化したがん保険に比べ、がんを含む様々な病気やけがに対応できる医療保険を選択している方が多いのかもしれません。
※1 出典:公益財団法人生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」

また、がんへの備えとして、貯蓄を活用するという方法もあります。ただ、「治療費が高額になる」、「治療期間が長期化する」などのリスクへの備えとしてがん保険を検討するのも一つの手ではないでしょうか。


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