生命保険に加入する場合、保障の対象となる方(被保険者)の現在の健康状態や過去の傷病歴、身体の障害状態、現在の職業などを保険会社にお知らせいただく義務があります。これを告知義務といいます。
※告知項目を限定したり、健康状態等に関する告知を不要としたりする生命保険を取扱う保険会社もあります。
生命保険に加入するとき、告知が必要なのはなぜでしょうか? それは、加入者間の公平性を保つために必要なことだからです。
原則として、保険料は保険加入時の年齢・性別によって決まり、同じ年齢・性別であれば保険料は同額となります。しかし、個人個人で病気・ケガやがん・死亡などのリスクは異なります。もし、告知がなければ、どうなるでしょうか。健康な方と健康でない方が、みんな同じ条件で契約し、同じ条件で保険金等の支払いを受けることになります。
このような不公平をなくすため、保険に加入するときは現在の健康状態や過去の傷病歴、身体の障害状態、職業などを正確に告知することが必要とされているのです。
また、例えばがん保険のように加入後一定の免責期間が設けられている保険もあります。免責期間とは、保険契約の締結後、保険会社が保障の責任を負わない期間を指します。がん保険であれば、この期間内にがんになったとしても保険金等を受け取ることはできません。これも、保険料の公平性を担保するため、がん罹患の自覚症状がある方などががん保険に加入することを排除する目的で設けられたものです。
「告知義務違反」とは、保険に加入するにあたり、現在の健康状態や過去の傷病歴、身体の障害状態、職業などを正確に告知しないことをいいます。
告知義務違反が発覚した場合、原則として契約は解除になり、保険金や給付金を受取れなくなってしまいます。この場合、すでに払込んだ保険料も返ってきません。
保険料負担の公平性を保つために生命保険会社は、年齢・性別だけでなく、現在の健康状態や過去の病歴についてしっかりと把握する必要があります。生命保険に加入する際には、虚偽を述べることなく、ありのままの情報を告知することが重要です。
もちろん、がん保険に加入するときも健康状態などの「告知」は必要です。 ただし、がん保険に加入するときには、死亡保険や医療保険などに加入するときとは異なる専用告知書を使用する保険会社もあります。そこで、ここではがん保険に関する告知がどのような項目になっているのかを確認してみましょう。
保険会社により告知項目(記載の文言など)に違いはありますが、一般的には「はい」「いいえ」で答える形式が多くなっており、告知項目で「はい」と答えた場合には「詳細内容」を記入する欄に詳細を記入します。
「詳細内容」には「病気やけがの名前・部位」「診査・検査・治療・投薬の期間」「入院時期・期間」「手術時期・手術名」「医療機関名」「現在の状況(完治、治療中、経過観察など)」などを記入する必要があります。
この告知項目を見て保険会社は契約を引き受けることができるかを公平に判断します。
告知した内容により、加入できるケースと加入できないケースがあります。どのような場合に加入が難しいのか、詳しく見ていきましょう。
・加入できるケース、加入が難しいケース
一般的には、過去に病気で入院したり、手術を受けていた方でも、がんと関連性が薄ければ加入できる可能性が高くなります。反対に、過去にがんに罹患したことのある方は、基本的には加入できません。
しかし、一定の条件のもと、がんの既往歴のある方でも加入できる引受基準緩和型の商品もあります。がんの病歴があるけれど、保険に加入したいという方については、そのような商品を探してみると良いでしょう。
上記でご紹介しているケースはあくまで一例であり、保険会社により引受基準は異なります。
生命保険は加入者の相互扶助で成り立っていますので、公平性が非常に重要です。保険会社は、加入者の正しい告知のもと公平性を保つことで、安定した運営が可能となり、いざというときに保険金等をお支払いすることができるのです。
もちろん、がん保険も他の生命保険と同じです。万が一、がんになったときに、正確に告知をしていなかったために給付金を受け取れなかったら意味がありません。
がん保険に加入する際は、各保険会社のルールに従って、ありのままを正しく告知するようにしましょう。
FLI-C03254-2108