がんを含む病気やケガに備えるためのがん保険や医療保険。この2つは同じような保険だとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、保障内容などには大きな違いがあります。
保険への加入を検討する際は、保障内容や給付金の額などそれぞれの特徴について知ったうえで保険を選びたいですよね。
そこで今回は、がん保険と医療保険、それぞれの特徴や違いについて解説していきます。
まずはそれぞれの特徴を見てみましょう。
がん保険は、その名の通りがんに対する保障に特化した保険で、がんになったときの保障として非常に頼りになる保険といえるでしょう。保険会社によって、入院給付型・診断給付型・治療給付型などさまざまな商品があります。例えば、入院給付型のがん保険では、がんで入院した場合に日額1万円など、入院日数に応じた給付金が受け取れます。また、診断給付型のがん保険では、がんと診断確定された場合などにまとまった給付金が受け取れます。
また、手術を受けた場合に「入院給付金日額×10倍」など、所定の金額を給付金として受け取れる商品や、入院や手術だけでなく、抗がん剤治療を受けた場合に給付金を受け取れる商品など、最近のがん治療に合わせた商品が増えてきています。特約においても、がんに対するさまざまな保障が用意されている商品が多くあります。
医療保険は、がんに限らず幅広い病気やケガに対して保障する保険です。入院したり手術を受けた場合に給付金が受け取れます。
特約を付加することもでき、三大疾病に対する保障や入院後の通院に対する保障など、保険会社によってさまざまな特約が用意されています。
ではここから、がん保険と医療保険の違いについて見ていきましょう。
医療保険はがんを含む病気やケガに幅広く対応していますが、がん保険は一般的にはがんのみの保障です。がん保険はがん以外の病気やケガに対する保障はありませんが、がんに対する保障が手厚いため、がん治療におけるさまざまな選択肢を検討することができます。このように、保障される疾病の範囲とがんに対する保障の手厚さに大きな違いがあります。
医療保険の場合、60日や120日など入院日数の支払限度が設けられている場合が多く、60日型であれば、1入院※
60日までしか保障されません。また医療保険には通算での支払限度が設けられている場合も多く、一般的には1,000日などとなっています。この日数を越えてしまうと、給付金が受け取れません。
※一般的に、退院日の翌日から180日以内に同一の疾病により入院した場合は「1入院」とみなされるケースが多くあります。
一方、入院給付型のがん保険では、医療保険に設けられているこのような支払限度日数や通算限度日数はない場合が多く、その場合、支払事由に該当すれば日数無制限で支給されるようになっています。
一般的に医療保険にはなくがん保険に設けられているものとして挙げられるのが、免責期間です。契約してから90日経過後または3ヶ月経過後など、一定期間を過ぎなければ保障が開始されません。【がん保険の免責期間とは?】の記事でもご紹介しているように、がんに罹患している疑いのある方が給付金の受け取りを目当てに保険に加入するなど、保険料負担の公平性が損なわれることを防ぐためにこの免責期間が設定されています。
※がん保険以外の保険であっても、免責期間が設けられているものもあります。
ここまで見てきたとおり、そもそもがん保険と医療保険では目的が異なります。
がんに対する保障を充実させたい方は、がんに対する保障がより手厚いがん保険に加入すると安心感が高まるでしょう。がんだけではなく病気やケガに対する保障を準備したい方は、医療保険の方がふさわしいかもしれません。また、がん保険と医療保険の両方に加入することで、がんを含めた病気やケガに対する幅広い保障を確保したうえで、がんに対しては手厚い保障を準備するという選択もできます。
どのようなリスクに対しての保障を確保したいのかという保険の加入目的によって保険の選び方は変わってくるでしょう。
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